[第1回]自分を見つめる-己を知ることの重要性-

第1回自分を見つめる己を知ることの重要性
過度の情報化社会の中、ビジネススキルや哲学、思想といったものまでもが情報として流行のファッションの様に取り上げられ、私たちは流れに乗り遅れないよう、それを取り入れ、繰り返す。その先にある物は?それで手にできる物とは?

新しいスキルや哲学、思想を取り入れるといっても、受け取る人間が何をしたいのか、何を求めているのかを理解しなければ無駄になってしまいます。まずは、自分を知ること。そこから始まるのではないでしょうか。
 

自分の現在地を知る

自分を見つめる01
あなたが『ビジネスや人生において、一番必要な情報はなんですか?』と聞かれたら、何と答えますか?ひょっとしたら、未来の情報、予知能力と言う方もいるかも知れません。確かにビジネスには大切ですが、それでは自己成長は望めません。

質問を変えましょう。『もし、見知らぬ土地で道に迷ってしまった時、どんな情報が一番欲しいですか?』

多くの人は、自分の現在地と答えるでしょう。あるいは目的地までの道のりと答えるのではないでしょうか。また、目的地と答える人もいるかも知れません。間違いではないですが、現在地を知らずして目的地だけを知っても、そこに辿りつくことは至難のわざです。
何事においても、事を始めるときには自分の現在地を知ることが不可欠です。

では、ここでいう自分の現在地とはいったい何か?もちろん、今の自分の居る場所とは違います。

自分の現在地とは、例を挙げると、自分の技量(スキル)、潜在能力(ポテンシャル)、知識、経験といったものでしょうか。これらを的確に知ることを、″自分の現在地を知る″こととします。言葉にすると簡単に思えますが、実際は非常に難しいことです。まず、自分を過大評価も過小評価もせず、客観的に見つめるという作業自体が難しいのです。人は自分の事となると、どうしても主観的になりがちです。

この難しさ故に、古代中国の老荘思想の大家である老子でさえも「他人を知る者は知者である、 自分を知る人は明知の者である」と言っています。噛み砕いて言うと「他人を知る人は賢い、自分を知っている人はさらに賢い」といったところでしょうか。
古の賢人もこう言っているくらいですから、自分を知るという事は本当に難しいことなのです。
 
 

彼を知り己を知れば

自分を見つめる02
『孫子の兵法』をご存知でしょうか?古代中国の兵法家、孫武(一説には孫嬪)が書いた戦争の指南書です。
現代ではビジネスにも応用されることも多く、孫子の兵法を基にしたビジネス書を見かけた方も多いのではないでしょうか。

この孫子の兵法の、おそらく一番有名な一節、『彼を知り己を知れば百戦危うからず(敵を分析して自分を理解していれば百回戦っても負けることはない)』は耳にしたことのある人は多いはず。

これは孫子の兵法の謀攻篇に収められた一説なのですが、この後に次のように綴っています。
『彼を知らずして己を知れば一勝一敗す(敵の分析をせず自分を理解していれば勝敗は五分五分である)彼を知らず己を知らざれば戦うごとに必ず危うし(敵の分析をせず、自分をも理解していなければ必ず負ける)』

注目なのは『彼を知らずして己を知れば』という部分。これは『彼を知り己を知らざれば』と置き換えても良いのでは?と思う方もいるかも知れません。

しかし、考えてみてください。戦い(戦争)を挑む相手を知っていても、自分の軍隊の事を分からない状態で戦えば、戦略も何もありません。こんな状態では指揮系統が混乱してしまい、十分な力を発揮することは出来なません。時は戦国の世です。平時から自分をしっかりと分析できていなければ、国はすぐ滅びていたでしょう。

まず大切なのは、相手より自分。自分の特性、長所短所を理解し、それを活かした戦略、戦術を決める。または短所、弱点を補う戦略を考える、というように何よりも先に押さえておかなけらばならないのが″自分″の現状、自分の情報なのです。
 
 

ビジネス、人生という舞台で戦っていくために

自分を見つめる03
これを現代を生きる我々に置き換えてみましょう。
悲しいですが、孫武の活躍した戦国時代と同様に、ビジネスや人生においても常に競争があります。競争、戦いの中に身を置いている人が自分を分かっていない。その場合はどうなるでしょう?

組織に所属していれば何か問題が起こっても、おそらく組織が守ってくれるでしょう。ただ上司からの指示を仰ぎ、業務をこなすだけなら問題は無いかも知れません。ただ、人生のどこかで、自分で決断を下さなければならない日は必ず来るはず。その時に自分の事を分かっていなかったら、厳しい道に進むことになるかも知れません。

例えば転職を考えているとします。コネがあれば別ですが、転職活動中は何の後ろ盾も有りません。自分の現状を的確に把握できていれば、自分のスキル、経験といった武器をアピールして、新しい仕事を手に入れることが出来るでしょう。

しかし、自分のことを分かっていなかったら、どうなるでしょうか?自分が持っているスキルに気付かず、本来は苦手だったり、短所となることをアピールしてしまうかも知れません。仮に上手く仕事を得ることが出来ても、苦手である分野を期待されて入社している訳です。その仕事は大変なものになるでしょう。しかも、転職後は味方や、助けてくれる人が少ないかもしれません。これほど辛いことはありません。最初は上手くいっても、挫折を強いられることもあるかも知れません。

または、英語を使った仕事に就きたいと考えているとします。実際の英語のスキルは高校入試レベルなのに、自分の実力を理解していない、過大評価していて、ビジネス英語のテキストに手を出してしまう。その結果、英語のスキルは伸びず、希望する仕事には中々就けない、といったこともあるかも知れません。

そうならない為にも、自分が持っているスキルや経験といった″武器″を日頃から確認しておくべきでしょう。

いつか来る、その時のために自分を把握しておく。私は大丈夫、と思っている方も一度見直してみてください。貴方の知る貴方は、今の″あなた″ではないかも知れません。私たちは日々、変わっています。

自分の知る″自分″を最新の情報にアップデートしておくことが大切です。何より、自己実現のためには、自分を的確に把握しておくこと。これが一番の近道となるのです。
 
 
 

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