[第2回]自分の武器を磨き上げる

第2回自分の武器を磨き上げる
2016年5月初旬、世界中に驚きと感動をもって伝えられたニュースがありました。
サッカー、イングランド・プレミアリーグ、レスターシティの優勝のニュースです。

世紀の番狂わせといわれ、ネッシーの発見、宇宙人の発見より可能性が低いと目されていた中での快挙。その偉業のカギは、自分たちの武器見つけ、磨き上げたこと。その信念、スタイルを貫いたことです。

これは、ビジネスや人生においても大切なことです。もう少し深く掘り下げ、ビジネスで生き抜くヒントを探っていきましょう。

 

スタイルは変えない

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レスターシティの戦術は堅く引いた守備からのカウンター。

サッカーに詳しくない方に簡単に説明すると、守備の時は自陣の深い位置に選手が固まり、相手に攻撃スペースを与えない。そして、ボールを奪った時は前線に残した攻撃の選手に長いパスを出す。この戦術を徹底して行っています。

このカウンター戦術は、実は昨シーズンの終盤からチームの快進撃に伴い注目、評価をされていた戦術です。
今シーズンに監督に就任したラニエリは、チーム、そして選手の特性を見極めた上で、昨シーズンからのスタイルを維持すること決めます。

サッカーの監督というのは自分の使い慣れた戦術を採用して、それに合う選手を獲得し、チームを自分好みに変えていくのが普通です。しかもラニエリはレスターシティ就任以前、Tinkerman(ティンカーマン=下手な修理工、いじくる人)と揶揄された人物。戦術や選手をころころと変え、チームに混乱を招くこともあった人物です。

その彼が、自分のスタイルを捨て、チームの武器をそのまま生かすという英断がレスターの快挙につながっていきます。
 
 

磨き上げた『カウンター』という武器

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昨季からのカウンター戦術を踏襲することになったレスター。ただ踏襲するだけでは終わらりません。徹底してカウンターという自分たちの武器を磨き上げます。

その結果、自陣の深いところから、相手陣内から、というように長い距離からでも短い距離からでもカウンターという研ぎ澄まされた刀を抜くことが出来るようになりました。

また、カウンターを活かすため、選手に細かい戦術を指示することを止め「90分走り続けること」「戦う姿勢を崩さないこと」を選手に求めて、あとは選手たちの自主性に任せます。

ちなみに、現代のサッカーは戦術が最も重視しているといっても過言ではありません。戦術ありきのサッカーといっても良いでしょう。こうした現代サッカーの常識とは真逆の事を敢えて行う。それはすべて、自分たちの武器を生かすためです。

細かい制約から解き放たれた選手たちはピッチ上を躍動。相手からボールを奪えば、切れ味鋭いカウンターで敵のゴールへと襲いかかる。こうして、レスターは名だたるビッククラブがひしめくプレミアリーグで勝利を重ねていきます。

自分たちの持っている力、武器を信じ、愚直にボールを追いかける。そして、勝ちを重ねていく度に自信が生まれ、さらに好循環を生んでいったのです。

今シーズンの開幕前に選手獲得のために使った移籍金は約90億円、トップのマンチェスターシティの約700億円のおよそ8分の1、選手の人件費はリーグ全体の下から3番目の約44億円、トップのマンチェスターユナイテッドの4分の1程度です。(2016年5月24日現在のレート 1ポンド=159円で算出)そんなチームがビッグクラブを押しのけてプレミアリーグ制覇という、″おとぎ話″を完結させたのです。
 
 

非エリートへのロールモデル

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私はこのレスターの快挙を感慨深く見ていました。

もちろん、岡崎選手が所属しているので、日本人として誇らしく、そして嬉しかったのもあります。それよりも、「不良品」「バーゲンセールと戦力外」と揶揄された彼ら、非エリートたちが、エリート、それもスーパーエリートたちを倒して王者になったことです。
それも、カウンターという唯一ともいえる武器だけで。

非エリートと書いた理由として、こんなエピソードがあります。

先ほどは細かい戦術を指示することを止めたと書きました。その背景には、選手たちの戦術理解力があまりにも低く、ラニエリ監督はサジを投げてしまった、と。

現代サッカーは戦術ありき、と書きました。戦術理解力が低いことは即ち、サッカー選手として致命的な短所ということになります。そんな選手たちがプレミアリーグを勝ち取ることが出来たのです。

私たちは世の中の大勢を意識して、それに流されてしまっていたり、他人と自分を比較し、相手の良いところばかりを見出し、その事に対し対抗意識を燃やして張り合っていたり、と自分を見失いがちです。

戦術重視、ポゼッション重視の現代サッカーの潮流に乗ることはせず、自分たちのスタイルを愚直なまでに貫いた結果の優勝。これは私を含めた非エリートの人間が、エリートたちに対抗する術を示してくれた最高のロールモデルであると私は思っています。
 
 
 

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