悪用厳禁!?あなたの「影響力」を高める方法

悪用厳禁あなたの影響力を高める方法

戦略的に「影響力」を高めよう!

記事用写真1どんなに頭がよくても、どれほど高いスキルと持っていたとしても、それを他人に認めて貰えなければ意味がありません。そして広く自分を認めて貰う為には、自らの「影響力」を継続的に強めていく必要があるのです。

そこで今回は心理学的・社会学的見地から自分の影響力を高めていく方法について考えます。特にビジネスで上を目指したい人や、ライバルに差をつけたいと思っている人にはとりわけ役に立つテクニックだといえます。

大きく分けて「権威づけ(自己演出)」「返報性」「コミットメント」の3つについて述べますが、いずれも心理学的に有効性が証明されているテクニックばかりです。

それだけに悪用されてしまうケースもあるようですが、あくまでも自らの影響力を高め、確固たるポジションを築くために使うに留めておいてください。

私たちの「思考」は「怠けたがる」ものである

人間の行動は複雑にみえて意外と紋切型であることが多いといわれます。それは「認知経済性」という側面からも説明ができますし、それが最も効率的な行動様式であることからも説明ができます。

非常に複雑な社会を私たちは生きていますし、周囲を取り巻く環境も急激に変化しているといえます。しかしそれに対して、私たち自身はその複雑性に常に完璧に対応できるほどの忍耐力も能力も持ち合わせてはいないのです。

そこで、めまぐるしく行き交う目の前の情報に対して、思考のショートカットをする必要がどうしても出てきます。たとえ人間行動学や心理学の専門家であったとしても、たった一日の間に接触する多くの人々や遭遇する様々な状況を詳細に理解し、分析することなど不可能なのです。

たとえば「ステレオタイプ思考」やこれまで培ってきた「経験則」に従って物事を判断するのは思考のショートカットの典型例でしょう。

このことの是非はともかくとして、もしあなたが自分自身の影響力を強めたいと望んでいるならば、人間のこういった性質をうまく利用することでそのきっかけとすることができます。
その代表的な方法に「権威づけ」があります。

「権威」の「自己演出」で自らのポジションを確立する

近年でこそ専門家や権力者に対する懐疑心が一般に広がり始めていますが、それでも私たちはその道のプロや専門家が言うことを盲目的に信用してしまう傾向があります。場合によっては、明らかに合理性を欠いているだろうと思われる事柄でさえ、権威のある人が肯定しているという理由だけで受け入れてしまうことさえあるかもしれません。

記事用写真2実際、私たちは人生で直面する様々な問題に対して、事前に十分な知識やノウハウをもたないことがほとんどでしょう。あらゆる事柄に精通しているような人は滅多にいません。

そういったときに、その道のプロにアドバイスを貰うことで自らの熟慮の代わりとすることはよくある筈です。いわば専門家の意見を自分の意見とすることで、思考のショートカットをはかるわけです。

たとえ様々な分野で権威者の「無謬性」に懐疑が広まっているとはいえ、有効性の面でいえば専門家とみなされている人々の言うことは信じてもらえる確率は高いですし、それだけ私たちは権威というものに対していまだ弱い存在であるともいえます。

ですから「自信があろうがなかろうが、まずはプロ(その道の権威者)として振舞う」ということが自らの影響力を強める上では必要不可欠であるといえます。そして周囲からそう見られるように「自己演出」をすることは、影響力を強めるためには欠かせない要素といえるのです。

「肩書き」に一工夫入れてみる

成績のよい営業マンのなかには、自分の名刺に載せる「肩書き」を企業として差し支えない程度で変えている人が結構います。それによって自らをその営業分野の専門家としてお客さんに認識してもらうことで、成約率を高めようとしているのです。

実際、こういったやり方は功を奏しているようで、会社から与えられた肩書きにひと工夫加えることによって顧客から信頼を勝ち取っているのです。必ずしも権威に実体がない場合であっても、これは有効に機能します。

また、ある映像機器のバイヤーは、初めてのお客さんに対するアプローチの際に必ず事前に雇っておいた専門家(といっても大学時代の友人や先輩だったりするわけですが)を連れて行って、自分が売り込もうとする商品に対する専門的なコメントを述べて貰うそうです。

そうすることで、一人で営業をかけるよりも格段に成約率が格段に上がったといいます。その専門家とともに彼自身も他のバイヤーに比べて権威ある存在だと顧客にみなされたということでしょう。

私たちの社会ではモラル的な側面から「外見よりも内面が大事」だという価値観は根強く存在すると思いますが、特に自らの影響力を高めるという観点からいえば「重要なのはまずは外見」といえます。

他人から認められ、強い影響力を発揮するためにも、まずは積極的な「自己演出」を心がけましょう。

「譲歩」を使って「譲歩」を引き出す技術

自らの影響力を高めるための手段として、取引先との値段交渉など様々な交渉事で存在感を示すという方法があります。こういった面倒事とみなされることをスマートにこなすことで、結果として一目置かれるようになるのです。

交渉に関するテクニックは様々ありますが、なかでも有効とされているのが自ら「譲歩」することで相手からより大きな「譲歩」を引き出すという方法です。

弁護士流?で「譲歩」を勝ち取る

このテクニックが頻繁に用いられる場面に、裁判における損害賠償請求があります。

たいていの訴訟における原告側の損害賠償請求額は「ふっかける」ものが多いです。相手側の過失に対して大げさな賠償額を請求し、その額を「譲歩」するかたちでもともと狙っていた額の請求額を裁判所に認めさせるのです。

記事用写真4これはいわゆる「ドア・イン・ザ・フェイス」と呼ばれる手法が応用されているわけですが、そのような法外な請求額など通るはずがないことは原告側も百も承知なわけです。

しかしそうやって「ふっかけて」見せることで、後に提示する賠償額の要求を通そうという意図があります。これはたいていの裁判で頻繁に行われる手法ですし、労使交渉などの交渉の場面でもよく使われます。

こちらの要求を上手く組み合わせて提示することによって、相手側はこちらの次善要求を譲歩だと受け取り、こちらも譲歩しなければならないという気になるわけです。当然、こちらからすればそれは次善の案などではなく「本命」ということになります。

「大きな依頼」⇒「小さな頼みごと」のギャップ

これはなにも裁判だけの話ではなく、私たちの日常生活でも十分に応用できます。たとえば、相手に明確に拒否されることがわかる極端に大きな提案をした後により「小さな」頼み事に切り替えた場合、初めからその提案をするよも承諾してもらえる確率は3倍ほども違ったという研究結果もあるそうです。

そして重要なのは、こういったテクニックが広く知られるようになったにも拘らず、その効果はいまだに顕在であるということです。多くの交渉事でいまだにこのテクニックが広く使われていることが、その証左といえるでしょう。

たとえわかっていたとしても、人間は自ら譲歩した相手に対して一方的な要求を押し通すことはできないものです。

ただし、やはり初めからあまりにも法外な要求をしてしまうと却って逆効果になってしまうので注意が必要です。なぜならば、そのような要求をした時点でまともに取り合ってはいけない人間だと思われてしまうからです。

相手から効果的な譲歩を引き出すためには、予め相手との間で譲歩し、対案を出し合うのにふさわしいだけの自分のポジションを確立しておかなければいけません

そのための方策として、次項で述べるような「ギブ」と「テイク」の基本的な法則を知っておくことが必要です。この法則をうまく利用することによって、相手との間に確固たる信頼関係を築くことができます。

「ギブ」と「テイク」の法則を知って影響力を高める

記事用写真3「ギブ&テイク」という言葉は昔から有名ですが、実はあらゆる国のあらゆる社会で適応できる考え方なのだそうです。
心理学的にいえば「返報性」ということになりますが、要は相手がしてくれたことと同じような親切を相手にするべきだという(暗黙の)ルールをいいます。

当然そのような明文化された「決まりごと」というものはそれほど多くは存在しませんが、私たちは他人からの恩義には恩義で返さなければならないということを肌で知っているといえます。

場合によっては、香典に対する香典返しのような確固とした不文律として確立されているものも存在しますし、社会的な観念やある種の文化的な圧力としてそういった法則が存在するということを多くの人は知っているでしょう。

そして、この法則にはもう一つ重要なポイントがあります。それは、たとえこちらが望まなかったとしても他人に何かをされた場合、大なり小なり恩義の感情が生まれるということです。

つまり、受け取ったものが自分自身が望むようなものでなかったとしても、私たちはお返しの義務を感じてしまうものなのです。

そしてこの「義務」のために、私たちは恩義を感じる相手を必ずしも自分自身で選ぶことはできないどころか、場合によってはその法則を他者に利用されてしまうことすらあるのです。

実際、この法則を悪用して受け取る側の義務を殊更に煽るようなやり方で利益を得ようと考える企業や団体が世の中には沢山あります。彼らは「ギブ」と「テイク」の間のアンバランスを利用して利益を上げようと考えているのです。

こういったある種の詐欺めいた手法は行き過ぎであるとしても、私たちは自らの影響力を高めるために、このテクニックを生かすことができます。

「小さな親切」が巡り巡って・・・

たとえば、はじめに一つの「小さな親切」をすることで、結局はかなり大きな恩返しをする義務を相手に負わせてしまうことができるわけです。そしてその「お返し」の方向性さえも、贈る側がある程度決められてしまうことが各種の実験で明らかになっています。

この親切が功を奏した例として、アメリカのワシントン州で民間人が強盗を撃退したという有名なエピソードがあります。その人は海兵隊員のように格闘術に優れていたわけでもなければ、巧みな交渉力をもっていた人でもありません。本当にただの一般人でした。

その人物が強盗犯を追い返した方法こそ、なんと「贈り物をする」という行為だったのです。その人物は手に持った銃を誇示しながら金銭を要求する相手に対して、あろうことか食べ物を積極的に勧めたのです。

その人が「ギブ」と「テイク」の法則について熟知していたかどうかはわかりませんが、結果として強盗はその人物に謝罪するとともに、大人しくその場を立ち去りました。たとえ強盗犯であろうとも、無償の「親切」に対しては「お返し」をせざるを得なかったわけです。

これはかなり極端な例ですが、それだけ「返報性」のルールというのは強力であることがおわかりいただけると思います。私たちもこの法則を利用することで自らの影響力を強めることができる筈です。

「贈り物」は投資!?

記事用写真5そしてこれもアメリカの例ですが、ある州のレストランスタッフ達の間で、お客の伝票に小さな「アメ」を添えるという行為が流行したことがあるそうです。

日本では顧客サービスの一環として捉えることもできるかもしれませんが、この記事をお読みの皆さんは、彼らが単なる厚意でそのようなことをしているわけではないことはすぐにわかると思います。

事実として、この接客係達の行為によって彼らへの「チップ」の金額が目に見えて上昇したのです。それによって彼らが得られた利益は、おそらく1個数円にも満たないであろう「アメ」にかかった費用の何十倍あるいは何百倍にもなったことでしょう。

こういった些細な「ギブ」をさりげなく行うことで、結果としてより多くの「テイク」を得られるようになります。そして相手に対してこちらの影響力を強めることができるわけです。

それは相手側に本当に「些細なプレゼント」をするだけ効果を発揮するのです。さりげなく相手に気遣いを見せる。それをさり気なく繰り返すことで相応の結果を期待することができます

それにたとえ相手からお返しをしてもらわなくてもよいのです。「返報性」のルールによって、あなたが施せば施すほどに貴方の相手への心理的影響力は大きくなっていくからです。

ただし注意しなくてはいけないのが、このテクニックも譲歩を引き出す作戦と同様に「あからさま」にやってしまうと逆効果になるということです。

あくまでも相手との信頼関係を築いたうえで、節度をもってやらなければなりません。また、相手が返せないほどの大きな贈り物を繰り返すことは、却って相手からの反感を買うという調査結果もあるので、やりすぎはNGです

「コミットメント」を駆使して影響を与える

人間のもつ本当の考えや信念は、何よりもその行動に現れるといいますが、私たちも他者がどのような人間であるのかを見極める際には、実際の行動を観察するものです。

そして私たち自身も、人となりを判断されるときには自分自身の行動をみて判断して貰いたいと思う傾向があることが明らかになっています。

ここで重要なのは、他人だけでなく自分自身の信念や考え方を決定する際にも自分の行動が鍵を握っているということです。つまり自分自身の行動が、自己イメージや自らの将来における行動に強い影響を与えるのです。キーワードはコミットメントです。

たとえばある調査では、事前にアンケートで「機会があればボランティア活動に参加してみたい」と答えた人の多くが、実際に同じ週に開かれたボランティア活動に参加しました。それは事前に全く何のアンケートにも答えていない人の8倍にもなったといいます。

つまり事前のコミットメントが自らの将来の行動を束縛してしまうことが往々にしてあるということです。自己啓発や能力開発の分野で、このコミットメントが重視されているのは、人間のもつそのような法則を応用しているからです。

相手のコミットメントを促し、影響力を高める

記事用写真6こういった人間の性質を利用して、相手に対してこちらの影響力を強めることは十分可能でしょう。
たとえば段階的に小さなコミットメントを積み上げていくことによって、徐々にこちらの存在感を高めていくということが考えられます。

初めは本当に些細なことでいいのです。たとえばインタビューに応じて貰うなどの小さなコミットメントを取り付け、徐々に要求を大きくしていくというのは既に多くの企業で取り入れられている営業手法です。

いわゆる「フット・イン・ザ・ドア」という手法ですが、今では本当に多くの場面でこの心理テクニックが使われています。

はじめは誰にでも受け入れられるようなコミットメントを促し、徐々にこちらの影響を認めるような積極的な行為をさせることによって、最終的に相手はこちらの影響を無視できなくなります。「自分がこの人を選んだのだ」と思わせることがポイントです。

政治家や外交官に学ぶ「褒める技術」

いわゆる「褒め殺し」というのも、陳腐な印象をもたれがちですがやはり効果のあるやり方です。

たとえば外交の得意な政治家がよくやる手法に、交渉の場面でまず相手を褒めることで、それに見合った行動をとらせるということがあります。これもコミットメントを利用した上手いやり方です。自らが目指す政治的目標に寄与するように、相手の自己イメージを誘導するというわけです。

いったん行動を含むようなコミットメントをしてしまえば、それに見合うように自己イメージを維持しようという本能が働きます。特に相手からそういうイメージを期待されている場合には、自身の「内面」からも「外面」からもそういったプレッシャーがかかることになるのです。

このように相手にこちらの影響力を認めさせたいのであれば、その人自身が責任を感じるように「お膳立て」をしてあげればよいことがわかります。何かこちらが通したい意見や提案がある場合、こういったテクニックを用いて戦略的に相手にアプローチをすることにより、自らの影響力を高めていくことができるわけです。

コミットメントは強力で、相手自身が「自分の意思で」そう決めたのだと思い込んでしまえば、それは相手のなかで確固とした信念となります。そしてその影響はその場だけでなく、それに関連する様々な状況にまで及ぶようになるのです。

ですから、あなたが影響を与えたいと思う人に対して何か一つでもコミットメントをさせることに成功すれば、その人は多くの場面であなたの影響力を認めるようになるのでしょう。なにせその人にとって、あなたは「自分が認めた存在」なのですから・・・。

「影響力」を高めるために日々努力しよう!

記事用写真9本記事で取り上げたテクニックのいずれも、相手を脅したり表立って圧力を加えるような行動とは一線を画するものであることにお気づきになったでしょうか?

「影響力を強める」と聞くと、どうしても相手を脅すなどしてプレッシャーを与えたり、あるいは巧妙なテクニックで相手を騙して自分の存在を大きく見せるというように思われがちです。

しかし長期的に効果を上げたいのであれば、余計な軋轢を避けながら人間心理をうまく利用して「さりげなく」影響力を強めていく方がよいでしょう

それに、今回取り上げた手法は様々な営業テクニックやビジネスの手法として昔から取り入れられているものばかりです。

不思議なことに、営業成績を上げるために積極的に用いていても、自らのポジションの確立や影響力を広げるために戦略的に使っている人は意外なほどに少ないのです。ですから、こういった有効なテクニックを日頃から意識して取り入れることであなたの影響力は格段に増していくでしょう。

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