少し前に、にっぽん丸という客船で韓国の済州島まで行って帰ってくる旅行を経験しました。
客船の旅というのは案外経験者が少なくて、値段もお高めに見えるので、敷居が高いところがあります。
でも、行ってみると船でしか経験できないことがすごくたくさんあって、ものすごく充実した旅だったので、客船の旅をおすすめすべく、旅の様子をお話ししたいと思います。
にっぽん丸について
にっぽん丸は飛鳥と並ぶ日本の客船です。
たまたまネットで調べたら、にっぽん丸は食事が美味しいと書かれていたのと、飛鳥は新婚旅行が多いと書かれていたのとで、にっぽん丸にしました。船の中で両方乗ったことがある方とお話ししましたが、乗る人の年齢や好みでどちらがいいか分かれるそうで、その方は年輩だったのですが、最終的ににっぽん丸に落ち着いたとおっしゃってました。
日本の船なので言葉の苦労がないのも楽な点です。語学に自信のある方は外国の客船を選ぶと、また違った経験ができるかもしれませんが。
船の旅のいいところ
飛行機に比べて移動がゆっくりなので、疲れ方が全然違います。また、ホテルにいながらにして移動しているようなものなので、移動時間という感じはしません。
ディナーショーなどの大きなイベントのほかにも、ティータイムにラウンジで室内楽を演奏してくれたり、社交ダンスの教室やダンスパーティーがあったりと、ゆったりした時間ながら充実した1日が過ごせます。
船での生活を満喫する、という意味では、航海日という1日海上にいる日がある日程のツアーをお勧めします。その日は船に缶詰めです。ゆっくりした時間の流れの中で、好きなことをして過ごせる、私にはすごく船旅らしい楽しい時間でした。
単独行動
グループで行ったんですが、結構バラバラで、食事のとき集まって、何してたか報告、みたいな感じでした。
バラバラでも同じ船の中にはいるんだし、食事と寝るのは一緒、というので安心感があって、のびのびひとりでバーに行ったりカジノに行ったり。そういうところで話しかけられて盛り上がって、奢ってもらったり名刺交換したりした方もいます。思わぬ出会いもあるかもしれません。
セイラーキッズクラブ
家族で旅行、とお考えの方にも、船旅はメリットがあります。
子供だけを集めてやるセイラーキッズクラブというプログラムがあって、そこに子供が参加している間は大人だけで遊べます。ロープの結び方とか、ボーイスカウトみたいなことやってましたね。子供たち、楽しそうでした。
出入国手続き
飛行機だと出入国がえらく面倒なのですが、横浜港でパスポートを預けて、出国のスタンプが押されて、済州島の入国は船の上で呼ばれてやったので、実に楽でした。
横浜のスタンプも珍しいので、ちょっと自慢できます。
ショーの内容
夕食後のショーは楽しみのひとつなので、行く先と一緒にショーの内容を見て、生で見たいと思うようなプログラムがあればその旅を選ぶというのもひとつの手です。
ショーの演者の人もずっと同じ船の中なので、お話ししたりサインもらったりする機会はあります。近い距離で会える感じなので、普通のライブとは違う楽しさがありました。
旅行費用
私達は中ぐらいの客室で行って、4日間の旅でオプション等含めて20万円くらい。
宿泊費、食費、コーヒーやおやつも、ショーやコンサートも全部入った値段なので、私は高くはないと思いましたが、済州島に普通に飛行機で行くツアーに比べたら高いと思うかもしれません。でも、人がしない旅行をしてみたい、ということであれば、ちょうどいい値段ではないでしょうか。
ちなみに、旅費は客室のクラスと、それを何人で使うかで値段が違ってきます。私達は一部屋三人で使いました。
船の時間を楽しむ
ちょっと変わった旅がしたいというとき、少しお金をかけた船の旅、というのはいい選択肢だと思います。今、一般的になっている、駆け足のスケジュールとは対照的な、ゆっくり流れる海の上の時間は、経験しないとそのよさがわかりません。そして、そういう時間を経験することで、私はその後の自分の生活の仕方も顧みました。
世の中、飛行機のペースで生きようとしている人がほとんどなのではないかな、と思いました。でも、快適なのって、船だよね。私は船のペースで生活しよう。以来、焦らず、結論を急がず、のんびりやってます。
そんなふうに流れる船の上の時間が、好きな人も嫌いな人もいると思います。でも、たとえ嫌いだったとしても、一度経験してみてもらいたいと思います。自分が飛行機の時間で生きたい人なのか、船の時間で生きたい人なのか、見極められるのは大きいです。
ちなみにうちは、夫婦ともにっぽん丸に乗って船の時間の人になってしまいました。もう、飛行機の旅はいいから、がんばってまたにっぽん丸に乗ろうと話しています。リタイアした後になるのかなあ。とにかく、実現すればいいなと思っています。