ビルに囲まれた街で毎日を忙しく過ごしていると、山や渓谷に行っておいしい空気を胸いっぱいに吸い込みたいと感じるときがありませんか?
日本ではどんなにたくさんの車が走る街中にいても空はきちんと青く見えますし、目に見えて空気が汚れているという実感はないかもしれませんが、衝撃の調査結果がWHOより発表されました。
大気汚染なんて中国の問題でしょ、そう他人事のように考えるのは間違いかもしれません。
日本の都市部も汚染の危険
WHOの調査によると、世界の都市部に住む約8割の人々が汚染された空気を吸い、健康を損なう危険性があるそうです。
過去2年で大気汚染に冒される都市部は2倍ほど増加し、特に東地中海や東南アジアの都市部で顕著となっています。これらの都市のほとんどが人口10万人以上を有しており、またWHOの定めた基準値を無視した生産を行っており、このことが大気汚染の深刻化に拍車をかけていると指摘されています。
大気汚染によるリスクとは
大気汚染された都市部での生活を続けると、脳卒中や心臓病、肺がん、喘息などの病気を引き起こすリスクが上がり、実際に毎年約700万もの人々が大気汚染により健康を損ない、命を落としているという調査報告も明らかにされています。
小さな子どもやお年寄り、また免疫力が低下している貧困層への影響が特に懸念されており、そのためWHOはこれ以上汚染が続くことに警戒を呼びかけています。
大気汚染を食い止めるには?
ではどうすれば大気汚染を食い止めることができるのでしょうか。
WHO関係者によると、確かに都市部での大気汚染の数値は上がり続けているが、一方でそのことに気づく都市も増え始め、それこそがこの問題を解決するのに大切であると述べています。また、大気汚染の主な原因は工場や車から排出される化学粒子によるものであり、それらを削減すれば大気汚染による死亡率を約15%下げることができるとも関係者は発表しています。
具体的な削減方法には、太陽光や風力といった自然エネルギーの利用を拡大することが挙げられます。また、都市部に住む生活者が車を使わず、自転車や徒歩、交通機関を利用することで排気ガスを削減でき、大気汚染を食い止めるのに効果的です。
日本では国内による大気汚染の問題はそれほど深刻化していませんが、中国から微小粒子状物質PM2.5などの汚染された大気が流れてくるといった被害はテレビの報道で度々目にしている地域も多いと思います。
しかし、この問題を単に中国のせいとして片づけるのではなく、一定量の汚染物質を我々も排出している以上はこの問題としっかり向き合い、WHOの関係者も指摘していたように身近な生活から今一度見直すべきであると僕は考えます。いくら便利な世の中とはいえ、やはりきれいな空気の中で生活する方がより幸せなことです。
最近ではエコ活動としてノーマイカーデーも少しずつ普及してきています。いつも車通勤や車での移動が多い方も、この機会に別の移動手段を取り入れてみてはいかがでしょうか?今人気のロードバイクで海外のビジネスマンのように自転車通勤するのも素敵ですよね。
地球のため、みんなの健康のためになるだけでなく、普段と違う環境で発見があるかもしれませんよ。
世界中で問題となっている大気汚染問題。近年、東南アジアの著しい発展は目覚ましいものですが、それがこの問題を引き起こしている点は否めません。
また、大気問題を蔑ろにしてまで国力を上げ、世界第二位の超大国となった中国の責任も否めません。そしてその中国にたくさんの工場を持っている日本の責任も。
この問題がより深刻化する前に、これらの国だけではなく、世界全体で解決していくことが求められます。